価値感の歪み、どんな問題がある?

こんにちは

名古屋で活動中。
心理セラピストの水野まこです。

リトリーブサイコセラピーという心理療法を使って
生き辛さの原因を探り、自分を取り戻すお手伝いをしています。

私は生活の中で、仕事や勉強をグループで進める機会が多いのですが
重点の置き方=価値観の違いで、人と意見が別れることがあります。

会社組織など目的が明確であれば
それに沿った価値観を共有することで進んでいけるはずです。

ですが、たまーに、頑なに自分の意見から離れられない人がいます。

組織の価値観≠自分の価値観 をどうしても受け入れられないんですね。

その人の中で何が起こっているのでしょうか。

今日は、歪んだ価値観について考えたいと思います。

1.価値観って心理にどう影響するの?

価値観を調べると
「物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断」
とあります。

価値観は、人が行動を取る上での基準になります。
好きなこと、心地いいことの価値であれば、その人にとって有意義なものです。

でも、もし価値観から外れることに、嫌な感覚が伴ってしまったらどうでしょう。
価値観は崩したくない、頑ななものになります。

自分の価値観を崩せなくて苦しそうだな、といった場面には
次のようなものがあります。

・自分と違う意見を受け入れられない(自分の意見は間違っていない

・効率や品質よりも、やり方にこだわる(自分のやり方が一番いいはず

・人の真似ができない(自分の考えしか信用できない

・結果を競う場でないのに数字(一番早い、SNSのフォロワー数)の為に、
 生活を犠牲にする(数字=承認の大きさ

・嫌なことを言われても、笑顔を崩さない(人に嫌な態度を見せてはいけない

・地位、権力にこだわる(ポジション=人間の価値

・お金に執着する(お金だけが信用できる

など
日常の些細な行動も含め、様々な基準を、ここでは価値観とします。

もしこれらの価値観を崩してしまうと、どうなるでしょうか?

・自分の意見や、やり方は間違っている

・自分の考えは信用できない

・人に嫌な態度を見せる私=悪い人

・人間としての価値がない

・信用できるものがない


となり

自分を否定し、ダメ人間のような感覚

になります。

崩せない苦しい価値観を持っている人は、このような感覚を感じたくないから
過剰に自分の価値観に、こだわるのかもしれません。

苦しくならないために必死に守る価値観は
歪んだ価値観と言えるのではないでしょうか。

2.歪んだ価値観はどこから来るの?

では一体、この苦しーい歪んだ価値観は
いつから自分の中に存在するのでしょうか?

私の場合を例に、考えたいと思います。

私は、子供の頃から、
人の前で不機嫌な態度をとってはいけない
と禁止令のような価値観がありました。

友達の中に平気で不機嫌な態度をとる子がいると、強い怒りを感じていました。
不機嫌な態度=人としてやってはいけないこと
として歪んだ価値観を持っていたんですね。

これには両親の姿が強く影響しているように感じます。

父からはよく
「お前は愛想が悪い。可愛げがない。ニコッとしろ」と言われていました。

母は、家の中ではいつも怒っているのですが
外に出ると、近所の人の前では、品よく愛想よくふる舞っていました。

私は、人を不快にさせてはいけないと、人前では嫌な感情を抑えていた記憶があります。

このように、育った家族の中で身につけた習慣が、自分の価値観となって
大人になっても引き継がれていきます。

もし

自分が嫌なときは、無理に笑顔にならなくてもいい

と、教えられていたら、どうだったでしょう?

大人になっても
笑顔でない=悪いこと とは結びつかず、無理に笑うこともないでしょう。

誰かに嫌なことを言われたら、「嫌です」と相手に返したり
「嫌だった」と周りの人に素直に言えたかもしれません。

苦しい価値観は、持たなければ、自由な選択肢が増えていくんですね。

3.歪んだ価値観を手放せない理由

自分でも意味がわからず信じ込み、崩せなくなっている歪んだ価値観。

自分を保っていた価値観を崩すことになってしまった場合
人は自分を否定するような感覚になると考えられます。 (1項に詳細があります)


もう少し具体的にすると

子供の頃に、教えられた価値観を守れないと親に否定された
などのトラウマを抱えていて
その恐怖の感覚が再現されると考えられます。

・失敗、間違いが許されない

・ダメな人間と罵倒される

・親の機嫌を損ねて無視される

・親に一貫性がなく何を信じていいかわからない

など

これでは、苦しい価値観を崩さないように守ることに必死で
手放すことも難しくなります。

年齢を重ねることに、手放さないための努力でがんじがらめになり
苦しさは強化されていきます。

4.自分の価値観を点検しよう

自分の判断は
自分の好きや心地いいの価値観を優先してできていますか?

誰かと一緒に判断するとき
自分以外の価値観を基準にすることを認められますか?

違和感があるようなら、自分の価値観が自分を苦しめているかもしれません。

自分のこだわりが苦しいなと思うなら、次のようなこと確認してみてください。

・価値観に反する人を見たときに、自分の中に何を感じているかに目を向ける

・譲れない価値観は、何のために、こだわっているのか考える
 ⇒その理由に自分で納得できれば違和感はないはず

・周りを見て、価値観に縛られず無理なく過ごしている人がいることを知る 

・価値観に反することを試してみる
 ⇒例 笑顔を作らずいる→以外と気づかれない。誰にも否定されないと知る。

自分の状態を知り、苦しい歪んだ価値観を緩めていくことをお勧めします。

どうしても緩められない場合は、根底に大きな恐怖があるかもしれません。
前回お伝えした生き辛さの話も確認してみてください。


苦しい価値観を手放し、心地よい感覚を見つけていきましょう。

それでは、ここまで。

ありがとうございました(^^)/