《心の回復過程の経験談Vol.2》はじめの一歩の話~心の回復過程で大切にしたいこと
こんにちは
名古屋で活動中。
心理セラピストの水野まこです。
リトリーブサイコセラピーという心理療法を使って
生きづらさの原因を探り、自分らしさを取り戻すお手伝いをしています。
夏の甲子園の中止が決まりました。他にも学生のスポーツ大会が中止になっています。
部活動に学生時代の夢を全部詰めて、全力を注いできた人もいるでしょう。
生きてきた中で、今回のコロナ禍ように、日本中が一斉に停滞するような出来事は、
戦争を経験された年配者の方以外は、経験のないことです。
なぜこのタイミングでと、大事な時期が重なってしまった人も、たくさんいると思います。
私も本当に様々なことを考える日々を送っています。
それぞれに感じたことが、多くの人の今後の人生に活きてくるといいなと願います。
さて今日は、心の回復過程の経験談の第二弾です。
心の回復に向き合った「はじめの一歩の話」
どんな思いで乗り越えてきたのかを書いてみます。
目次
1.一人ぼっちからのスタート
《心の回復過程のスタート》
私が心の回復を目指し、自分の問題と向き合い始めたのは、今から5年以上前。
このお話は、前回第一弾の冒頭と過去の記事でも書いています。
それまで、自分の生きづらさが、家族に起因していると気づいていなかったのですが、
ずっと受け入れてきた母の言葉に嫌悪を感じて、受けつけられなくなったことから始まります。
ネットで検索した『母と娘』のキーワードで出てきた書籍のレビューから、
『アダルトチルドレン』の言葉を見つけます。
アダルトチルドレンを検索すると、様々なサイトでチェックシートなるものが出てきます。
その中の一つを見て、
示されている心の癖なる傾向の多くが、自分が気にしてきたことに該当していました。
それまで、どうにもできないと思っていた自分の性格(生きづらさ)には原因がある。
そして参考にしたページの数々には『心の回復』と表現されていましたが、
生きづらさは変えていけると思えたのでした。
自分の問題の原因に気づいて最初に感じたのは、
苦しさから抜け出す方法があることの安堵感でした。
この当時、頼るような人は、いませんでした。親しくしていた友人も、
家族に似た違和感を感じる部分があり、安心して話せる気がしませんでした。
誰も頼る人がいない。そう思った記憶があります。
とにかく何とかしなくてはと、一人ぼっちでスタートをしました。
心の回復にあたり、自分の記録で最初に残っているのは4日後。その間は、
走馬灯のように過去の出来事を思い起こして、色んな感情で泣き腫らして過ごしたと思います。
同時に並行で、ネットで情報を得ながら、この先に、どう動けばいいか考えていたと思います。
最初に始めたこと
・ネットの専門ページから情報を仕入れる(回復するためにすること、心理の解説)
・関連書籍の購入
より詳細に知りたいとの思いから、本を買い漁っていました。
初期に読んだ本で印象に残っているのは
『不幸にする親-人生を奪われる子供 ダン・ニューハース=著』
・心理カウンセリングなど、自分が頼れる場所を探し始める
・自分の問題を思い起こしながら、過去の出来事と結びつけて紐解くことを始める
ノートに残した記録の最初に、自分への約束が書いてありました。
・焦らない
・どんな気持ちも否定しない
・時間をかけて取り組んでいけば、よくなると自分を信じる
・健康に気をつかう
・心に無理をしない
(嫌なことも我慢してやってしまう性質だったため、やりたくないことを無理しないと決めた)
「イヤ」と言うことは
ワガママだと思って生きてきたのですが、そのために色んなことを我慢してきました。
そんな自分に気づき、とにかく自分の気持ちを大切にして労ろうと決めていました。
『どんな気持ちも否定しない、自分を信じる、無理をしない』は、
今でも人に伝えたいこととして心にあります。
振り返ってみて、当初からずっと変わっていないことなんだと、改めて自分でも気づきました。
2.頼れる場所を作ること
アダルトチルドレンの心の回復について調べていると、多くの場合に
『未処理の過去の経験と感情を話して癒す』ということが書かれています。
頼れる人がいなかった私には、これはとても大きな課題でした。
周りに安心して話せる相手がいない場合は、
プロを頼ったり、自助グループといった方法もあるということも知りました。
私はネットで、名古屋の心理カウンセリングと自助グループの両方を探しました。
検索すると色々と出てきます。
当然なんですが、「ここにしよう!」と簡単に決められるものではありません。
心の問題があるから、人を信用できないし、
検索して出てきた知らない人が、どんな人か怖くて疑いの目で見てしまいます。
そんな中で、目星をつけるまで二ヶ月くらいかかったと思います。
そして「この人なら」との思いで、一人の心理カウンセラーさんを注目し始めました。
その先生は、カウンセリングとは別に、
AC(アダルトチルドレン)の自助グループも開催していました。
カウンセラーが主催する自助グループということが、恐怖心のレベルを一段引き下げたと思います。
一ヶ月後に自助グループの開催があると知り、その場で気持ちが動いたけれど勇気が出ません。
そこからしばらく、申し込むか迷う日々になります。
それまで、何度も見直して辿りついた場所だったから、
他のどこよりも「ここしかない」といった気持ちはあったと思います。
それから二週間。
何回か申し込みフォームに記入までして、しかし最後の申し込みボタンが押せないんですよね。
カウンセラーさんの記事も読み漁り、ネットテレビに出演された動画も見れたので、
動いている姿を見て安心感を強めていきました。
そして最後は、『これ以上迷っても何も変わらない』との思いで申し込んだのでしょう。
そのときの自分の文章が残っています。
~前略~
今回申し込むにあたり、もしかしてACと思うことが自分の勘違いじゃないかとか、それなりに生活できてしまっている私は大した問題はないのではないかとか、他の方の身になるような話ができるのか、等々、不安と言い訳が満載です。
でもやっぱり辛い。自分を何とかしたいのに、どう生きていけばいいかわからない。
何か一つでもヒントが見つかればとの思いで、最大の勇気を振り絞って申し込みます。
このページを見たときに行くしかないと思ったことを大切にしたいです。
今になり自分で見て分析すると、
自分の問題が大したことない、他の人のためになるか、など
自分の辛さを優先できず、自分の存在に重点を置けない自己重要感の問題が現れています。
それでも「最大の勇気を振り絞る」と自分の背中を押す形で、申し込んだ記憶があります。
心の問題がある人には、人との繋がりの愛着の問題が多くを占めています。
だから知らない世界に飛び込むのも怖くて当然です。
自分を大切にすることへの罪悪感、それでも辛いとの本音、外の世界に飛び込む恐怖
などの様々な葛藤があります。
苦しいのに怖くて立ち止まっている人に伝えたいのは
誰のためでもない、自分のために、
自分の人生を生きるために、自分を一番に大切にしてほしいです。
本来それが、人として当然のことなんですよね。
そしてこの後、自助グループの主催者であるカウンセラーさんから返信を頂きます。
ご自身がACと自覚しての最初の行動、その扉を開かれた勇気に、
心から、おめでとうございます。
~中略~
他の方の役に立とうと思わなくて大丈夫です。
もう十分、役に立って来られたのですから。
「やっぱり辛い」という思いに正直に行動されたことが、きっと次の扉を開いてくれると思います。
このメッセージを頂いたときは、大泣きしました。
自分が「辛い」と言って、そのまま受け止めてもらうといった経験を、
恐らくこのときに初めてしたのだと思います。
一人でスタートを切ったものの、本当は怖いし、不安だし、誰かに頼りたかった。
誰かに頼れる安心感を感じたと思います。
愛着の問題解決には、安心感が欠かせません。
ある程度の回復が進んでいくと、
自分の中で安心が育ち始めて、自分の中に軸ができてきますが、
やはり最初は、安心できる場所が大きな力になるかと思います。
このあと、カウンセラーの先生には、
自助グループ参加から、心理カウンセリングと長期に渡りお世話になりました。
リトリーブサイコセラピーに辿りつくまでの数年、心の拠り所として、私の心の中の軸になりました。
自分が返れる軸を持つことは、
子供の成長でいう、母という安全基地を持つのと同じような役目をします。
自分がいる場所を見失わずに、勇気を持って心の回復に立ち向かっていくことができたのです。
※補足:ここで言う心の軸とは、自分自身が心の中で意識を置くだけで、不安や恐怖の感情が出たときにお世話してもらうこと、とは違います。不安や恐怖で進むことを止めてしまいそうなときに、『あの人がいてくれるから一人じゃない』と自分に勇気を与える心の拠り所として、心の中に誰かを置くといいと思います。
3.自分の思いが原動力
私は昔から、自分で『根性の人』と思うところがあるのですが、
心の回復において、この根性論が、ずいぶんと役に立っています。
しかし根性だけでは、心の問題は解決しないということが、言われています。
心の回復にあたり、根性は『ドライバー』といって、
自分の心のブレーキに反して、前へ推し進めようとする力になります。
推進力となるこのドライバーは、強めれば強めるほど、ブレーキの存在もわからなくしていきます。
実は、本当の心の問題は、ブレーキとなる『前進することの怖さ』だったりと、
隠したいところに問題があるんですよね。
だから根性だけでは、どうにもならない部分もあります。
しかし自分の回復をどれだけ進めるかは、自分の思いしかありません。
人は人を変えられないと考えます。
自分を変えてくれるのは、セラピストでもカウンセラーでもありません。
ましてや周りの頼れる人ではありません。自分自身です。
自分が自分を変える。たとえどんなことがあっても、絶対に諦めない
との思いは、私の場合、根性が原動力を作っていました。
邪魔なときは使わなければいい。根性も使いようでいいのです。
別に根性である必要はありません。自分を支える何でもいい。
自分が自分を救う。絶対に諦めない
との思いを大切にしてほしい。
それが一番に伝えたいことです。
今回の記事は、初期の必死な思いを思い出しました(^^;)
この記事で伝えたかったことのまとめ
心の回復過程で大切にしたこと
・とにかく自分を大切にしようと思うこと
・どうするか自分で考えて、勇気を持って行動していくこと
→勇気の行動が次の展開を生む
・心の回復には、心の拠り所が、強い味方になるということ
・自分が自分を変える。絶対に諦めない、との思いを大切にしてほしい
過去の記事も参考にしてくださいね。
今日は、これで終わります。
自分のために、頑張っていきましょう(^^)/
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自分を知り、自分の問題と深く向き合っていける場所です。
東京は2020年最後の開催となります。6月より開講です。