見捨てられ不安~困っていませんか?原因を知り克服していこう
こんにちは
名古屋で活動中。
心理セラピストの水野まこです。
リトリーブサイコセラピーという心理療法を使って
生き辛さの原因を探り、自分を取り戻すお手伝いをしています。
新型コロナウイルスの不安が依然として続いていますね。
4月からの新年度をどのような状況で迎えられるのか心配でもあります。
一斉休校や人が集まる活動の自粛などで、家で過ごす時間も多くなっているのではないでしょうか。
私も、仕事帰りの寄り道が、激減しました。
でもここはプラス思考で、
この機会を、自宅で有意義に過ごすなど、活用していこうと思います。
さて今日の話題は、見捨てられ不安です。
人は誰しも、人に嫌われたくないという感情を持っていると思います。
しかし、この嫌われたくない、という気持ちが非常に強く出ると、
妄想で自分を怖がらせては、人にすがりつくような行動として現れて、
人との関係を壊す場合があります。
自分も、周りの人も、困ることがあるのではないでょうか。
この人にすがりつくような行動をとる「見捨てられ不安」が、
どのような心の問題なのか考えてみたいと思います 。
目次
1.見捨てられ不安、こんなことしていませんか?
見捨てられ不安とは、自分と近しい人に対して、
距離を感じるような出来事があると、
嫌われるのではないか、相手が離れていってしまうのではないかと、
見捨てられるような不安に駆られる状態を言います。
不安が強いと、相手が離れていかないか?を確かめずにはいられなくなり、
しつこく確認を迫ったり、確認するための試し行動をとったりします。
見捨てられ不安がある人の中で、どのようなことが起こっているのか、
ここからは、私の場合を例にして、お話ししていきます。
私の場合、10代後半くらいから、友人や彼氏といった家族以外の近しい人に対して、
見捨てられ不安を感じるようになりました。
見捨てられ不安を感じるといっても、本人の中では、
感じているものが不安だということに気づいていません。
人と親密に関わっているときは不安はありませんが、
ほんの少しの出来事で不安らしきモヤモヤが生じます。
例えば
・自分と相手の考えが違うときに、遠く離れたように感じる
・相手に自分が知らない交友関係があると、一人取り残されたように感じる
・時間がある限り、毎日でも一緒にいたいと望み、叶わないと傷つく
・お互いに何でも知っている親密な関係を望み
相手の熱量が同じくらいないと、大事にされていないと感じる
これらは、
相手が自分から離れていくのではないのかという恐れが根底にあり、
恐れが不安といった形で現れます。
不安が生じると、相手が自分から離れないということを確かめたくなり、
安心感を手に入れるために、何らかの手段(直接聞く、試し行動)で確認します。
確認できると安心感を感じるのですが、一時のものでしかありません。
そしてまた、少しのことで不安になるといったことを繰り返します。
やがて、本当に相手から距離を置かれたり、
これ以上嫌われたくないと、自分から近寄れなくなって、
疎遠になるといったことが起こります。
ここまでの話は、
見捨てられ不安を自覚している人であれば、馴染みのあることではないでしょうか。
次の項では、別の視点を取り入れた話をしたいと思います。
2.見捨てられ不安が消えた?その理由とは
私の見捨てられ不安は、何年かの長期に渡り、影を潜める時期がありました。
その時期を振り返ると、友人や彼氏との関係が安定していたと感じられます。
安定しているのなら、よかったよかった!!
と思うかもしれませんが、この安定している状態に心理的問題のカラクリがあります。
安定している時期に、親しくしていた相手には、こんなイメージがあります。
・面倒見がよく、私の不安をよく聞いて、励ましてくれる
・マメに連絡をしてくれる
・予定がない限り、毎週の休日を一緒に過ごしてくれる
・私の考え方や行動を世間と照らし合わせて、非難し、改めさせようとする
・私が励ましに応じず、落ち込み続けると、落ち込んでいる私を否定し始める
心理のことを知っている人には、わかると思います。これは
「支配する人の支配下にいる私」という依存関係
を表しています。
前半の3つは、
相手と私の要求が一致して、お互いに依存して安定している状態
後半の2つは、
相手の要求に私が従わないことで、
相手が自分を正当化して、私を否定することで自分を保とうとする状態
にあります。
依存関係の中でも、
安心を多く感じていれば、多少の不安(不満)も見て見ぬふりをし続けるのですが、
不安(不満)が大きくなっていき、限界が来ると、
相手を押し返すようにして関係を断つ、といった結果を招いてきました。
見捨てられ不安は、相手と近い距離での親密な関係を求めます。
・心理的に健全な人を相手にすると、距離が遠く感じて不安がつのる
・支配的な人に対しては、親密な関係での要求は叶うが、支配されることへの不満が溜まる
このようにして、どんな人とも人間関係をうまく築けず、
いつまで経っても一人になる不安を持ち続けていく
のです。
3.見捨てられ不安の正体は
この厄介な見捨てられ不安は、
盲目的に人を追いかけている間は、自分の内側に問題があるとは気づきません。
自分の生まれ持った性格が、これだと思い込み、疑いもしません。
自分に合う人が、どこかに存在すると信じて、丸ごと受け入れてくれる人を探し続けます。
しかし、
人との繋がりが切れていく度に、傷つき、人と繋がることへの恐怖が強くなっていくと、
恐れ回避という人を回避する傾向に向かっていきます。
傷つくことを恐れて、人を避けるようになり、孤独をつのらせていきます。
こうなっていくと、生きていることに絶望を感じていくようになってしまいます。
人生を大きく歪ませていく「見捨てられ不安」は、
本当に自分の性格なのでしょうか?
見捨てられ不安の人が求める人との繋がり
これは、セキュアベースと言われる安心安全の感覚です。
人は育成過程において、親との繋がりの中で、愛情をもらい、安心感を身につけていく。
安心の感覚をベースにして、親と離れ、外の世界へ冒険することができるようになる。
そして個の人間として、自立していく。
このような過程が、健全な心の成長と考えられています。
でも
・親が心の問題を抱えている
・事情があって、親に育ててもらえなかった
など、
何らかの理由により、必要な安心感を身につけられず、
親との分離がうまく果たせていない場合
一人でいることに不安を感じ、人へ愛情や安心感を求め続けます。
それが、見捨てられ不安の状態として現れます。
見捨てられ不安は、ただの寂しがり屋さんではなく、
人間としての当然必要とする欲求の現れであるんですよね。
もし見捨てられ不安を自覚して苦しんでいるのなら、大丈夫。
人として自然のことです。
自分を育てなおして、不安を手放していけばいいのです。
4.見捨てられ不安を手放していこう
現在の私ですが、見捨てられ不安を、ほとんど感じません。
人間ですから、誘いを断られてがっかりしたり、
叱られて落ち込んだりとすることは、当然あります。
だからと言って、
自分と相手の関係が切れたり、相手が離れていくのでは、と思い込むことはありません。
相手の拒否の言葉 ≠ 自分の全否定
と受け取れるようになれば、見捨てられ不安で悩むことも、少なくなるのではないでしょうか。
では、
私がどのようにして、見捨てられ不安を手放していったかを振り返ってみます。
第2項でお話したとおり、
・人と支配関係での安心感は、見捨てられ不安を手放した状態ではありません
・回避傾向に陥ってからは、人との関わりを断つことで、
見捨てられ不安を感じなくなりましたが、手放してはいません
このような状態から、心の問題を自覚して、心理を学び始めたのですが、
人と関わるようになると「見捨てられ不安の存在」は、すぐに気づきました。
その後、次のような過程を経て、見捨てられ不安を解消していきました。
(1) 見捨てられ不安は、自分の心の問題だと自覚する
(2) それまで求めていた人との親密な関わりが、健全な関係でないと気づく
(3) 私の心の問題について、意識の問題だと否定で反応する人とは
健全な関わりを築くのが難しいと気づく → 距離を置く
(4) 私を否定しない人を、安心ベースとして自分の中に置く
(私の場合は、心理カウンセラーさんと、近すぎない友人)
(5) 自分を知るために、心理の知識を身につける
(書籍、ブログ閲覧、セミナー、ワークショップなど)
(6) 不安が生じた場合は、心理の視点で自分の中で起こっていることを考える
(7) 不安に対して、
相手に連絡をとって確認するなどの、不安を埋めるための行動をとらない
次に話す機会まで待って、相手は何も変わっていないと、
自分の感覚として成功体験を積む
自分の感覚の歪みに気づき、
勇気を持って実践し、
経験を通して自分の感覚を育てていく。
次第に、見捨てられ不安は、今はないな~、なんて思うようになっていきます。
見捨てられ不安がなくなれば、自分の行動基準が、
相手に嫌われないか?ではなく、自分の意思に変わっていきます。
これは自分軸を育てることとも繋がっているんですよね。
少しずつ、大切に、自分を育てていきましょう。
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では、今日はここまでです。ありがとうございました(^^)/