他人軸をやめたい、自分軸を育てていこう
こんにちは
名古屋で活動中。
心理セラピストの水野まこです。
リトリーブサイコセラピーという心理療法を使って
生き辛さの原因を探り、自分を取り戻すお手伝いをしています。
最近は、新型コロナウィルスの話題がかかせません。
外出を控えるなど、あたり前にあった日常が脅かされている状態です。
感染の心配だけでなく、問題が波及して、
トイレットペーパーが品切れなんてことも起こっています。
このトイレットペーパーの件のように、世間の話に惑わされる習慣的な生き方。
これは一種の他人軸な生き方と言えるかもしれません。
新型ウィルスのように、誰もが見逃せない大きな問題となれば、
不安になり惑わされたとしても、仕方がないとも思えるのですが、
不安がる場面でないところで、他人軸で生きている人がいます。
他人に振り回されてヘトヘトになっている人を見ると、
どうしてそこまで自分を痛めつけるのかと思ってしまいます。
私も以前は、かなり他人軸で生きていたんですけどね。
さて今日は、この他人軸な生き方についてです。
他人軸には、どんな心理的問題が影響しているのか
考えてみたいと思います。
目次
1.自分軸と他人軸との違い
心理的なあり方を表す自分軸・他人軸という言葉
自分と他人とあるように、対極的な考え方です。
自分と他人がいるわけですから、他人が絡んだときに、どうなるかを視点としています。
例えば、自分軸はどのような人を思い浮かべるでしょうか?
自分を軸とした考え方ができる人
自分がどうしたいかの気持ちを優先して、行動に移せる人
のようなイメージでしょうか。
対して他人軸は、
自分の気持ちを横に置いたり、消したりして、
他人の都合に合わせて自分の行動を選ぶ人
と考えられます。
では他人軸であった場合に、どのような行動・傾向があるのか
私の周りで見た他人軸と思われる例を、パターン化して挙げてみます。
(矢印(⇒)の先は、私がこの場でつけた呼称です。次項でも使用します)
① 地位的に強い人や、逆らうと面倒な人に従う
⇒イエス・マン
② 他人の要望にNoが言えない、人の言葉を拾っては気を利かす
⇒いい人をやめられない人
③ 人にとっての正解ばかりを考えて、自分がどうしたいのか意見がない
⇒正解探しをする人
④ 人に認められることを目的に行動する
⇒承認欲求が強い人
⑤ 人に従うことを反抗的に避け、人の異なる意見を選ぶ
⇒反抗的な他人軸の人
⑥ 自分の意見がはっきりしているが、その源が影響力の強い人に追従している
⇒自分軸のような他人軸の人
これら例のように、自分の行動の源が他人にある人を、他人軸と考えます。
他人軸が問題となるのは、
自分の無意識のところで他人を基準とした行動をし、
その選択に心からOKが出せない場合です。
なぜ無意識に他人軸で行動してまうのか、そこには心理的問題が隠れています。
次の項では、心理的な動きについて、詳しく見ていきたいと思います。
2.他人軸の生き方の心理的問題
他人軸の生き方には、何らかのメリットがあると考えます。
もし自分軸の生き方の方が、楽で幸せに生きられるのであれば、そちらを選んでいるでしょう。
しかし他人軸であるメリットの方が大きいので、本来の自分を消してでも、他人を優先にします。
そこには本人も気づかない、心理的な問題が影響しています。
前項の6パターンを例に、メリットを考えてみます。
① イエス・マン
強い人に従っていれば安全圏にいられる → 自分が責任をとらなくていい
② いい人をやめられない人
人に嫌われない → 居場所が確保できる
③ 正解探しをする人
自分で考えなくていい → 自分の考えで失敗することはない
④ 承認欲求が強い人
人に認められることで自己価値感を得られる → 自分の無価値感を感じなくていい
⑤ 反抗的な他人軸の人
人に従わなくていい → 人の支配を受け入れなくていい
⑥ 自分軸のような他人軸の人
自分を強く見せられる → 自分の無力さを感じなくていい
これらは、根底に
自覚のない避けたい事柄(恐怖など)があり、他人軸の行動で、それを回避している状態です。
それがメリットとなります。
このように他人軸は、他人の考えを優先しているようで、
自分の問題を回避するために、他人基準で行動する自己都合とも言えます。
例を挙げてみます。
②のいい人をやめられない人
過剰になると、お節介にも感じる世話を他人にほどこします。
-仕事のときの話 -
他の部署へ行き、AさんBさん他数名との打ち合わせに参加したときのこと
私はペンを持参するのを忘れてしまいました。
Aさん「ペン貸しましょうか?持ってきますよ」
(Aさんの事務席は5メートルほど先にあり、取りに行ってくれるようでした)
私「貸してほしいです。お願いします」
Aさんは、席へ取りに行ってくれました。
その、ほんの数秒後、私とAさんのやり取りを見ていたはずのBさん
Bさん「ペンを貸しましょうか?」と持っていたペンを差し出してきました。
私は、Aさんが、すぐそこで取りに行ってくれている、と思いながらも
私「2本あるんですか?」と聞きました。
Bさん「いえ、もう一本は席に取りに行きます」と返ってきたのです。
私「Aさんが、取りに行ってくれているので、それを使います」
と断ったのですが、何とも無駄なやりとり。
気になるのは、Bさんは、
「私がAさんにペンを貸してもらうことが成立した状況」を見ていたにも関わらず、
なぜ私にペンを貸そうと行動したのか?という点です。
おそらくBさんの中では、
意識的に「困っているのでペンを貸そう」としたのではなく、
人の言葉を拾って気を利かすことが自動化されている状態と考えます。
問題なのは、目の前で起きている現実を見て、脳がすべてのことを処理するのではなく、
私がペンを忘れたという点だけを切り取って、反射的に行動していることです。
なお、この場合Bさんは他にも、
・Aさんとの会話が終わるのを待ってから、話しかける
・自分が使用するつもりだったペンを私に差し出す
(Aさんは私に貸すペンを取りに行きました)
など、自分よりも他人を優先する行動が見られます。
人の役に立てば、人に嫌われない、居場所がもらえるといった、
無意識での恐怖の回避が働いていると考えられます。
このように、他人軸は、自分の感じたくない部分を感じないために、
自分の意思を明け渡し、他人を優先するという生き方を無意識に選び取っているのです。
3.他人軸の生き方はなぜ起こるのか
では他人軸の生き方は、どこから来ているのでしょうか
前項の例のとおりに、
他人軸は、根底に、人と関わると感じる何らかの恐怖があると言えます。
この恐怖は、幼少期の家族や周りの人との関わり方が、
歪んだ感覚として根づいて、大人になっても影響していると考えられます。
子供の頃、例えばこんなことがあったと考えられます
・自分の考えで行動すると、親に怒られた
・自分で考えることが許されず、親の指示に従ってきた
・親の指示に従っていれば、褒められた(居場所を与えられた)
・誰にも理解してもらえず、人に承認を求める気持ちが強くなった
・可哀想な親を守ること(役に立つこと)を優先して生きてきた
これらは、子供が子供らしい感性で自由に生きることができずに、
自分を殺して、親を優先している生き方です。
子供時代には、それが家族の中で最善な方法だったのでしょう。
しかし大人になっても、子供の頃の生き方が引き継がれている今
本当に望んでいる生き方なのでしょうか?
もっと自分を優先して、行動したいのではないでしょうか?
他人軸の生き方を望んでいないのであれば、
自分軸の生き方へとシフトしていくことが大切だと思います。
4.自分軸を育てていこう
他人軸という生き方を言い換えれば、
人との間に心理的境界線が引けていない状態
だと思います。
他人を飲み込んで、もしくは他人に侵入して、自分を保っている状態です。
他人は、自分ではありません。自分は他の誰かではありません。
自分が何を望むのかを意識して、優先していくことが大事です。
自分が自分にOKを出せる生き方
それが自分軸だと思います。
自分軸を育てるには
自分はこれでいいと思って行動する
その行動は、一つの自信になる
何度も繰り返すうちに、自分らしさが身についてくる
そのような過程を経て、少しずつ自分軸が太くなっていきます。
頭と体と心が一本の軸を通して繋がった状態で、
自分の人生を生きることができれば、
自分らしく幸せな人生が、送っていけるのではないでしょうか。
他人軸の生き方を、自分軸の生き方へシフトしていきましょう。
もし、自分がわからない、自分軸の生き方を育てていきたい。
そんな思いがあれば、リトリーブサイコセラピーの基礎講座はお勧めです。
自分の心の問題を見つけ、自分らしく生きていけるように、学んで行ける場所です。
3月21日より大阪で開催されます。2020年大阪では最後の開催予定です。
興味がある方は、是非、ご検討くださいね。
今日はここまでです。ありがとうございました(^^)/